個人のユーチューバーがライブ配信をやっているという話はよく耳にしますが、最近はイベントやセミナーをYouTubeのライブ配信を活用して開催するケースも増えてきました。
しかし、いざライブ配信をやってみたいと思っても
「どんな機材を準備すればいいの?」
「YouTubeでライブ配信するときのトラブルが怖い」
といった方が大半です。
特にライブ配信はリアルタイムで動画を流しているので、トラブルが発生してしまうと致命的なことになってしまいます。
今回はYouTubeでライブ配信している現場を訪ねて、プロが使用する機材やライブ配信の注意点を取材してきたのでご紹介します。
「動画つくーる」YouTubeライブ配信現場を取材!
ライブ配信の現場取材ということで「動画つくーる」ショールームを訪問。スタッフは本番開始の2時間前から準備に取り掛かるとのこと。
ライブ配信の準備は時間に余裕を持って行うことが大切。カメラの位置や構図、各機材の配線接続を入念にチェックします。
YouTubeライブ配信に使っている機材は?
では、実際にどんな機材を使ってライブ配信しているのかを見ていきましょう。
撮影で使用するカメラは2台。メインとなるカメラは「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K」。動画撮影に特化したミラーレスカメラでシネマティックな映像を撮りたい人や編集でカラーグレーディングをしたい人に人気です。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kで出演者のウエストアップとスライドを映し出すモニターを撮影。
2台目のカメラは「Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K」。Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kの上位モデルで、こちらのカメラも美しい映像を撮影できます。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kで出演者の顔のアップを撮影。
スイッチャーは「ATEM Mini Extreme ISO」。最大8台のカメラの接続・切り替えが可能な優れもの。これ一台でカメラの切り替えと映像の配信をコントロールします。
ATEM Mini Extreme ISOに取り込んだ映像はLANケーブルで直接インターネットへ配信されます。
出演者の声はピンマイクで収録します。使用するのは「RODE ロード Filmmaker Kit ワイヤレスマイクキット」。ピンマイクを使う理由は「機材の説明をする際に動き回ったりするから」とのこと。ピンマイクだと音質が一定に保たれるというメリットがあります。
ライブ配信視聴者からの質問を読み上げるオペレーターの声はガンマイク「SENNHEISER(ゼンハイザー)MKE 600」で収録。クリアな音声を録ることができる人気のマイクです。
音声のミキサーは「ZOOM / LiveTrak L-8」。
出演者とオペレーターの声をミックスしてメインのカメラに送ります。
ヘッドホンで収録中の音声もしっかりとチェック。
撮影している映像はモニターでチェック。左のモニターでそれぞれのカメラで撮影している映像を確認し、右のモニターは実際に配信している映像を映し出します。
パソコンは3台。左からスイッチャーATEM Mini Extreme ISOのコントロール用、モニターに出すスライド資料操作用、YouTubeライブ配信操作用となっています。
出演者側から見るとこんな感じ。正面のモニターで自分がどう映っているか、どんな映像が配信されているかを確認することができます。
YouTubeライブ配信スタート!
さぁ、時間通りにライブ配信がスタート!
キューの合図とともに出演者が話し始めます。
ちなみに今回のライブ配信トークテーマはSONYの動画専用カメラ「FX3」について。
オペレーターは大忙し。ライブ配信の進行に合わせて「カメラの切り替え」「スライド画像の操作」「視聴者からの質問コメントをピックアップして読み上げ」を行います。
YouTubeの接続状況もチェック。
ライブ配信の進行具合を確認するため、香盤表もしっかり作成。オペレーターはタイムキーパーとしての役割も担います。
モニターの映像を確認しながら効果的にカメラを切り替えていきます。
「ここぞ」というタイミングでは顔のアップに切り替え。効果的なカメラのスイッチングによりメッセージが伝わりやすくなり、視聴者が飽きないライブ配信になります。
YouTubeでライブ配信をするメリットは?
「動画つくーる」のスタッフにライブ配信についてお話を伺いました。
毎週ライブ配信をやるのは大変だと思いますが、それでも続ける理由やメリットは何でしょうか?
リアルタイムで視聴者とコミュニケーションできるのがライブ配信の一番のメリット。
生で視聴者(ターゲット)のニーズを直接キャッチすることができ、企画の立案やサービスの改善に活かすことができます。
なるほど、単にやりたいこと・伝えたいことを配信してるのではなく、視聴者の要望をヒアリングするという側面もあるんですね。
一般的なYouTube動画だと、配信者から視聴者に一方通行でメッセージを伝える感じですが、ライブ配信だとその場で相互にコンタクトを取ることができます。なので短時間で親密になれるというか、信頼性を獲得しやすいですね。
実際にライブ配信を見たことがキッカケで遠方から店舗に来店してくれるお客さんもいてました。
YouTube上でのコミュニケーションを経て、リアルに対面でのビジネスに繋がるという体験をされてるんですね。
はい、だからファンを増やすという意味ではライブ配信はとても効果的だと感じています。
それと一般的なYouTube動画と違い、撮影した動画を編集しなくても済むので制作にかかる時間が減らせるという点も大きな魅力です。
ライブ配信するときの注意点
ライブ配信って何かとトラブルが多い印象ですが、どういった注意&対策をしていますか?
いろいろ試行錯誤した結果、安定したライブ配信にするために撮影した映像をパソコンに取り込まず、スイッチャーから直接インターネットに送信しています。
一般的にはカメラで撮影している映像を一度パソコンに取り込み、配信ソフトを使ってライブ配信する方が大半だと思いますが、その手法を使わない理由は?
一度パソコンに映像を取り込んで配信する方法だと、そのパソコンの性能によってライブ配信のレベル・クオリティに影響が出てしまうからです。高品質で安定したライブ配信にするために極力トラブルが起きる原因を減らすということですね。
他にライブ配信におけるトラブルを避けるアドバイスは?
あたり前のことですけど、ぶっつけ本番は非常に危険です。必ず事前にテストを行い、準備も時間に余裕を持って行いましょう。
それと、インターネット回線への接続はできる限り有線がオススメ。特にポケットWi-Fiはリスクが高くなるということを頭に入れておいてください。
「動画つくーる」の読者&チャンネル視聴者にメッセージ
「動画つくーる」のお二人からメッセージをいただいたのでご紹介します。
動画は難しいと思っている人がまだまだ多いですが、「動画つくーる」は初心者ウェルカムです。ちょっとした些細な質問でも大丈夫。より多くの人々に動画を楽しんでもらいたいので、YouTubeのコメントで気軽に質問してください。
【動画に関することで困っている人を助けたい】というコンセプトで「動画つくーる」は成り立っています。どんなお悩みでも構いません。どうぞお気軽にショールームにお立ち寄りください。
まとめ
YouTubeライブ配信の取材、いかがだったでしょうか。安心・確実のライブ配信をするには準備が大切。プロはミスが許されないので信頼できる機材を使っていることがおわかりいただけたと思います。
今回の取材で新たに発見できたことは、動画のライブ配信にはビジネスに大事なマーケティングと顧客からの信頼獲得の要素が含まれているということ。
ユーチューバーを目指す個人だけじゃなく、応援してくれるファンを獲得したいと考えている企業や団体も動画のライブ配信を活用してみてはいかがでしょうか。
「動画つくーる」は毎週金曜日の19時からYouTubeのライブ配信、木曜日は18時30分からClubhouseで動画相談会を開催しています。ライブ配信に関することだけでなく、動画に関することなら何でも質問を受け付けていますのでお気軽に参加してください。
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今回取材した時のライブ配信動画はこちらから確認できます。