クリエイターインタビュー第13弾!
今回はフリーランス映像ディレクターとして、企業ブランディング・VPなどを制作されている大城 慶太さん。
高校を卒業後、地元・大分県から上京し、在京キー局(テレビ局)で働き始めてAD・ディレクターとして有名番組に携わることもあった映像業界一筋の大城さん。テレビ局で培ったディレクター視点で、他とは違うオリジナリティある動画を作り出す。
全国や関西で放送されるテレビ番組の制作、企業や商品の紹介、イベントのプロモーション動画の制作など幅広く経験されており、映像業界に入って十数年のキャリアを活かしたユーザーに見てもらえる魅力ある映像を作れる強みがあります。
今回は映像制作について撮影機材や編集のこだわり、仕事への信念について聞いてみました。大城さんの職人としての魅力が伝わるインタビューになっています。ぜひご覧ください。
プロフィール
大城 慶太(おおきけいた)
1991年生まれ
大分県出身・大阪在住
元TV局の制作ディレクター
フリーランス映像ディレクターとして企業ブランディング・VPやイベントPRなどの動画を制作されている。
10歳上のお兄さんの影響で、幼少期からテレビドラマや映画をよく見ており、特に洋画が好きで、小学校2年生の頃に始めて一人で見に行った映画は字幕の「バーティカル・リミット」(Vertical Limit)。バラエティ番組も見ており、多くの映像作品に触れていた。
高校卒業後に上京し、2010年に専門学校で映像制作を勉強しながら在京キー局(テレビ局)で働き始め、バラエティー番組やスポーツ番組の制作に携わり、ADからディレクターへと転身。2021年に退職し、家族とともに大阪へ移住。フリーランスとして活動を始め、現在に至る。
プライベートでは妻とお子さんと暮らす。
サウナやピリ辛料理で一汗を流し、リフレッシュをしている。
- Facebook:@keitaoki0729
- Twitter:@keitaooki9270
- Instagram:@keita_ooki
フリーランス映像ディレクターとして関西から広げる活動の輪
‐テレビ局の勤務から、フリーランスとして活動される経緯を教えてください。
2020年のコロナ禍でテレビ業界は変革期を迎えていて、妻と子どもがいたので「今後、どうなるんだろう」という不安を抱えていました。
また、僕は高校卒業してから10年間、テレビ業界以外のことを知らずに過ごしてきて、もっと外の世界を知ってみたいという思いから、会社だけではなく自分で仕事を取ってみようと、翌年2021年に副業でフリーランスとしての活動を始めました。同タイミングでテレビ局を退職し、妻が関西出身ということもあり、東京から大阪へと移住してフリーランスとして活動します。
‐現在されているお仕事の状況はいかがでしょうか?
独立した当初は「元テレビ局のディレクターだし、それなりに仕事ができるだろう」と思っていたのですが、なかなかうまくいかず仕事が少なかったんですよね。そこで経験や人脈を作る目的で制作会社で半年ほど働き、その合間でクラウドソーシングで仕事をしてました。そこから信頼を重ねてご紹介をいただき、徐々に仕事が増えていきました。その制作会社では企業ブランディング・VPなどテレビ関係以外の仕事も扱っている会社で、この経験が僕が今やっている仕事に影響を受けています。
今では代理店さんやコンサルティング会社さんなどのクライアントさんがいて、関西以外にも東京や愛知からも多くのお仕事をいただいており、他の地域によく出張し、多いときだと月3回ほど東京に行くことがあります。他にも企業さんに対して、マーケティングやIT支援をされているクライアントさんに懇意にしてしていただいていおり、このクライアントさんのおかげで完全独立できるようになりました。
‐具体的にはどんな仕事をされているのですか?
動画配信サービスの映像制作や、東海地区の有名私立大学さんOB・在校生の交流イベントのPR動画の制作をさせていただきました。これから誰もが知る大手会社さんのイベントに関わる予定もあります。制作以外では、神戸学院大学で生徒さんがレポート報告用の動画を作るため、映像制作を教えるという授業を行うこともありました。今はスマホひとつで撮影から編集までできてしまいますから、基本的な知識さえあれば動画が作れるので手軽ですよね。
※神戸学院大学で教えている様子
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テレビ局勤務で培った撮影・編集の技術と使用機材
– 撮影に使われている機材を教えてください。
僕がよく使っているカメラは「SONY α7SⅢ」です。たまに高画質な映像撮影が必要になると「SONY FX6」、ミュージックビデオでは「RED KOMODO 6K」で撮影することがあります。あとは、必要に応じてジンバル「DJI RS3」を使っています。
ディレクターもカメラを回すことが多くて、テレビ局にいたときからいろいろな撮影機材に興味がありました。昔からアングルにこだわることが好きで、今の仕事に活きていますね。
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‐編集の技術やこだわりについて教えてください。
テレビ局では、映像素材をつないでナレーション原稿を仮决めする「オフライン編集」という工程をディレクターが担当して、テロップ打ちや音声調整などの仕上げまでは他のスタッフが行います。今までひとりで最後まで映像編集をすることはありませんでしたので、独立した当初は苦労しましたね。ちなみに、編集ソフトは「Adobe Premiere Pro」を使っています。
編集では特に、素材の選定には時間をかけていて、映像制作をしている人では、あまり素材の選定に時間をかける人はいないようなのですが、テレビの編集では素材を細かくカットして、印象を変えたり、インパクトを与えたりしたいときに、素材の順番を変えて編集をすることがあるんです。フリーランスになった今でも、僕はこの方法で編集に取りかかります。
テレビ局では番組のオープニング映像の制作も長く任せていただいていて、そのときにオープニング映像が好きになって、こだわって作っていました。厳しくも目をかけてくれた先輩のテレビ局員さんのおかげで、編集の技術が鍛錬されていきましたね。テレビ局で培われてた経験があるから、今の自分があるのかもしれませんね。
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オリジナリティある動画を作るために日ごろからやっている大事なこと
‐仕事をするうえで心がけていることを教えてください。
日頃からいろんな映像作品を見て、インプットする習慣を作っています。「この映像のつなぎ方は、かっこいいな」「この編集や撮影の仕方は参考になるな」「このテロップの出し方は新しいな」と思ったことをメモをしています。参考動画をいくつも持っておくことで、「例えば、こういう魅せ方はどうですか?」と、お客さんに事例を出しながらヒアリングすることができるんですよね。参考動画として、自分の中にバリエーションを貯めておくことは必要なことだと思います。
ただ、動画を作る目的はユーザーに見てもらうことがなので流行りの構成や演出も必要なのですが、それを踏まえたうえでオリジナリティのある洗練された映像を作ることも大事ですね。「こういう動画、どこかで見たことあるな」と思われるような世間にあふれている動画ではなく、「こんな動画、見たことない!」と驚いて喜んでくれるような動画を制作することを心がけていますね。モーショングラフィックスなどを使うときは、専門スキルに特化したエディターさんが知り合いにいるので、演出によってそのようなエディターさんに依頼します。
世界に向けた映像を作りたい!大城 慶太さんのこれから
‐今後の展望はありますか?
当初、映画やドラマに興味を持って映像業界に入ったので、日本だけではなく世界で見られる、たくさんの人に認められる映像作品を作りたいです。今はテレビや様々な映像配信サービスが連携して配信されていて、世界に向けて作られている映像作品も多くあるので、そのような作品の制作に携わりたいですね。
‐こんな人に出会いたい、声をかけてほしいと思う人はいますか?
一緒に動画を作って、協業できる人と出会いたいです。自分と同じテレビ関係に携わっていた人に仕事をお願いしたときに、感覚がすごい近いので話が早くて、すごく良い成果物ができたという経験がありました。ですので、特に過去にテレビ関係の映像制作に携わっていた人と知り合いたいです。
あと、副業やアルバイト感覚ではなく、撮影や編集について、一定水準の基礎的なスキルや知識を修得していて、本気でビジネスや就職をしてやっていきたいと思っている若い人もお声がけください。