この記事を開いた人は、 絵コンテ の必要性に迫られた方かと思います。
動画制作をする上で、どのように撮る「撮影」のか?どのように繋ぐ「編集」のか?悩まれたことはありませんか?
なんとなく動画のイメージを頭に思い浮かべて撮ってみても、完成したものを見るとなんか違うと感じていることもあるでしょう。貰った映像素材をなんとなく編集してみても、それが意図通りに繋がったのかわからないこともあるでしょう。
それは動画を作る為の設計図がないからかもしれません。動画制作には「設計図」が必要です。
また、動画制作の依頼を受けて、クライアントに意図したイメージを伝えれなかったり、スタッフと動画を作るときに完成したイメージが伝わらずに、撮影に時間がかかったり、編集しだしてからなんども撮影をやり直したりということがあるかもしれません。
誰もがスマホだけで簡単に動画が出来てしまうからこそ、きちんと『どんな動画を作る』のかを考えること、そして『どんな動画を作る』のかを共有することが大切です。
ぜひこの記事を読んで、 絵コンテ の知識を深めてください。
この記事で知れること
この記事では、絵コンテの大枠の説明から、具体的な作業までを知ることができます。
絵コンテの解説、最新の絵コンテ事情、絵コンテの事例、そして絵コンテを描くところまで、この記事を見れば大体絵コンテを描き始めれるのではないでしょうか。
記事内では書ききれない内容については、おすすめの書籍などご紹介してますので、そちらを参考にしていただけると、より詳しく学べますよ!
またこの記事では絵コンテ用紙やPowerPointやKeynoteで使える絵コンテテンプレートもダウンロードできます。
それでは、どうぞ!
絵コンテ とは? 絵コンテを解説します
動画・映像制作において、絵コンテはまさに物語の脚本を映像化するための重要なステップです。しかし、絵コンテとは一体何なのでしょうか?映像制作初心者やこれから映像制作を始める方々にとって、絵コンテの概念とその重要性を理解することが、スムーズで効率的な制作プロセスに繋がります。
この記事では、絵コンテとは何か、その役割と映像制作における重要性をわかりやすく解説します。映像制作のプロセスを効率的に進め、理想の作品を実現するための絵コンテの知識を学びましょう!これからご紹介する内容を理解し、あなたの動画・映像制作をより洗練されたものにしましょう!
絵コンテ (えコンテ、英: storyboard)は、漫画、映画、アニメ、テレビドラマ、CM、ミュージックビデオなどの映像作品の撮影前に用意されるイラストによる表。映像のイメージを具現化するための設計図にあたるものである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/絵コンテ
画コンテ (えコンテ)と表記されることもある。単にコンテ とも呼ぶ。漫画の場合はネーム、イラストではなく文章による場合は字コンテ (じコンテ)、動画によるものをビデオコンテ と呼ぶ。
「コンテ」は、英語のコンティニュイティ (continuity、”継続”や”連続”という意味) の略である。
動画制作には絵コンテを描くという行程があります。絵コンテはいわば動画の設計図のようなもので、1つのカット(画面)がどのようなものかを説明するものです。
ですので画面という言葉から画コンテ と書くこともあります。
一つのカット(画面)で伝えることは「被写体はどのようなサイズ、構図になるか」「被写体はどのような動きをするのか」「カメラのどの部分から画面に入ったり出たりするのか」「カメラ自体はどのような動きをするのか、固定(フィックス)なのか」「どのくらいの時間映しているのか(尺)」などを伝えます。
絵コンテを読めば、上から順番に映像の流れ(時間の流れ)が把握できるようになっています。
- ページナンバー・カットナンバー・画面(カットの内容を絵で表現したもの)
- 内容(カットの内容を文字で説明したもの。キャラの動きやカメラワークなどを書きます)
- セリフや効果音・時間(何秒間の演技なのかなど)
監督がすべてのスタッフに自分が思い描いているイメージを伝えるために必要な設計図なので、効率的な組織運営をするならばきちんと描いておく必要があります。
また、動画制作者、監督の自分自身が動画が、どの様なものに仕上がるかを整理して客観的に見つめ直すのにも大切な行程です。
案外自分のイメージというのは固まっていなかったりすることがあるので、動画を作る前には必ず行いましょう。
絵コンテはどのような流れで動画を制作していくのか、整理するためにも使われます。
そして、絵コンテを書くのは監督だけでなく、演出家や絵コンテを専門に書き上げるスタッフ、アニメーターなどもいます。しかし、動画を『作る』のであれば、きちんと描けた方がいいでしょう。
絵コンテとストーリーボードの違い
日本では、アニメの社会的影響力、知名度の高さからストーリーボードよりも絵コンテと耳にする機会が多いかと思います。それは手書きで一枚一枚書いていかなければ作り上げられないアニメの特性とも言えますが、カットの繋がりや連続性を伝える必要性が高かったがために「コンティニュイティ:連続性」を伝える絵コンテという言葉をよく使う事が多くなったのではないでしょうか?
絵コンテもストーリーボードも大まかにいうと同じ映像を作るための設計図と言えます。しかし、意味合いが少し違うので分けて考えていた方がいいでしょう。現場によって同じものとして捉えていたり、全く違うものとして扱っていたりするためです。この記事では、大まかに映像の設計図としての絵コンテ・ストーリーボードの解説をしていますので、同じものとして扱いますが、違いを知りたい方のために、ストーリーボードの解説も掲載しておきます。
ストーリーボードとは?
「映像の完成予想図」をストーリーボードと言います。絵コンテの「映像の設計図」と分けるとまだ具体化されていない段階とも言えるかもしれません。制作段階に入る前に作品の全体像や物語性を考えたりするのに使われます。
ハリウッド映画など海外映像制作の現場では映画を作る際には必ず利用されています。基本的には、脚本をベースにイラストをつけて視覚化することでストーリーボードが作成され、そこにカメラワークや照明などの細かい指示なども記載されていきます。
この場合「映像の完成予想図」というよりかは、より緻密な「映像の設計図」となります。
- 絵コンテ …カットの連続性、繋がりを重点的に描かれている。
- ストーリーボード …カメラワークや照明などより細かい指示も記されている。
このように現場によっては意味合いが違ってくるので、絵コンテ、ストーリーボードなどという呼び方よりも、目的をはっきりさせてから作る必要がありますね。
- その他にもあるイメージボード
アニメのシーンを絵にしたアイディアスケッチのことをイメージボードと言います。イメージボードはその名の示す通り 大体のイメージをスタッフで膨らませるためのものです。全てのカットを描くことはありません。
絵コンテ、ストーリーボードとの違い
イメージボードに類似したものに「絵コンテ・ストーリーボード」があります。絵コンテは全てのカットを書き出し、映像の連続性、繋がりを把握するために使われます。しかし、制作現場によってその定義はまちまちなので、気をつける必要があります。
また、黒澤明の作品における絵コンテは、映画化できなくても絵としてでも残したいという思いと、監督自らそのイメージを膨らませるために描いていたようなので、映画の為の設計図というよりはイメージボードとしての意味合いが強かったようです。
絵コンテ の見方
- Title(タイトル) 作品タイトルなどを記入します。
- Part(パート) scene(シーン) Aパート、Bパートやシーンナンバーなどを記入します。
- No. 絵コンテ用紙のページ番号。全体の◯/◯ページと記入します。
- CUT(カット)カットナンバー。
- DIALOGUE(音声)登場人物の台詞など音声関係を記入します。(on)は画面内にいる人物の台詞、(off)は画面外にいる人物の台詞、(SE)は効果音、ノンモンは無音。
- PICTURE(画面)カット内の絵の内容。被写体の動きやカメラフレームの移動も矢印で指示しておきます。
- ACTION(内容・動き)絵の内容を文字で表している欄。編集なども指示してある。「ト書き」ともいう。
- TIME(時間・尺)カットの秒数。1秒以下はフレーム数で表される。1+12ならば1秒と12フレーム(1秒=30フレーム)の意味。
- Date(日付)記入した日付など
- Total(時間+フレーム)合計タイム。ページ毎のカットの秒数合計、下部は全ページのカットの秒数合計。
この絵コンテ用紙は一例です。動画つくーるで制作する、もしくは私自身が制作する動画で絵コンテを手書きで描くときに使います。
中央に⑥PICTUREを配置しているのは、エヴァンゲリオンで有名なアニメーション制作会社GAINAX、カラー(khara, inc.)で使われている絵コンテを参考にしています。
映像素材の分類管理に便利なcut, scene, part
ここまですることはほとんどの現場でありませんが、映画やテレビドラマ、アニメーションやCGなど長編でかつ大量の素材を扱う現場で使われていることもあります。
cut, scene, partの項目は映像素材を数字やアルファベットを順に書いて分類区分けをする時に役立ちます。沢山の映像素材を扱うときにきちんと記しておくとわかりやすくなります。
フレーム(コマ)→カット(ショット)→シーン→パート(シークエンス)→1本の映像作品となりますが、短い作品の場合は1シーン、または1カット(ショット)で終わる場合もあるので使うことがない分類もありますので、絶対使うべき項目ではありません。書いておけばわかりやすいかな?といった具合のものです。
cut(カット)
カットは和製英語です。海外ではショットと呼ばれます。カメラを回し始めてから止めるまでの、ひと続きの連続した映像を指します。絵コンテは完成イメージを記した設計図ですので、絵コンテ上では場面が切り替われば違ったカットという判断になります。例えば対立する2人の人物の場面を何度も切り替える場合も、同じ構図であったとしても違うカットとしてみます。
cutも1本の作品の中で頭から順番にナンバリングしていきます。
cutは、カメラを回し始めてから止めるまでを指すので、撮影段階、編集段階、完成で意味合いが違ってきます。
絵コンテに書く場合も、撮影時を考慮してのものか、完成イメージを想定してなのかで使い分けられます。
映画ですと『1917』や『カメラを止めるな!』などのようにワンショットで描かれる作品もありますが、1カットで最初から最後まで撮れることはないので、編集でワンショットに見えるように撮影します。ですので撮影の順番で書くこともあります。この場合完成をイメージしたものをカットと呼び、撮影段階で分けられるものをショットと呼び分けたりする場合もあります。
scene(シーン)
ある場所、場面での動作の一区切りを指します。街路、オフィス、部屋、夢の中などのように撮影での場所(場面)ごとに1シーンと判断します。
1本の作品の中で頭から順番に場面ごとのナンバリングを行います。
ある場所での一連のショット(カット)を複数まとめたもので、アクションシーン、クラッシュシーン、戦闘シーン、ラブシーン、などと言ったように固有の名称でよく耳にするかと思いますが、映像の制作時はナンバーで分類します。
part(パート)
パートは複数のシーンをまとめて部分けされたものの一塊を指します。映画ではシーケンスと呼ばれます。
パートはTVアニメではよく見かける項目です。Aパート、Bパートなどと表記されます。1本の作品の中で部分けする時にしようされ、30分のTVアニメの場合は、真ん中で流されるCMを基準に前後編に分けて前半をAパート、後半をBパートとしています。映画などの場合はDパートまで分けられていて、多人数のスタッフで役割を分担して作業するときなどにパートごとで割り振ったりします。
ですから、短いCMなどの短い作品の場合は、もちろん使われません。個人的な感覚ですが、パート分けは作品を作る時よりも完成した作品について語るときに良く使う気がします。
- 分類で使うその他の用語
絵コンテ用紙には書かれていない項目ですが、映像素材の分類管理に役立つ用語にテイクというものがあります。
take(テイク)
テイク「取る」という意味から、動画では撮影をするときに使い、同じカット内で何度か撮り直しがされた時に他の素材と区別する時に使います。1回目の撮影をテイク1(ワン)、2回目をテイク2(ツー)などという。 何度か撮影してOKのテイクを使うことになる。 「テイク2、OK」などと使う。撮影段階に絵コンテや脚本に候補となるテイクをメモ書きし最も良い候補にはまるで囲んだりして、編集段階で確認することもある。
絵コンテ 描き方、使い方
決まったフォーマットがあるわけではなく、上記の内容が描かれていれば問題ありません。またカットが上から順番に書かれていること、1カット1升のコマは使う事(被写体、カメラの動作が多い場合は分けることもある)カットナンバーと1カットあたりの尺(時間)が描かれてていればいいので、専用の原稿用紙のようなものを必ず使う必要もありません。
しかし、絵コンテは単にスタッフやクライアントに動画のプランを共有するためのものだけではありません。監督がプランニングするのにもとても役立つツールです。
描く準備、必要な道具
プランニングする、動画の演出を考えるのに必要ですので、とにかく大量に描く必要があります。何度も修正したり、メモを加えたり、思い浮かんだアイデアを手を止めずにどんどん描くためには、紙、筆記用具、ストップウォッチなどが必要です。
●紙 絵コンテ 用紙
絵コンテ用紙は、お店でも買えますがパソコンでダウンロードして印刷して使用してもいいです。
どんどん描き続けるためにも、大量に絵コンテ用紙を用意しておいた方がいいでしょう。
思い浮かんだアイデアは簡単に消えていきます。消える前に紙に書き留めておきましょう。
●筆記用具 鉛筆、シャープペンシル
鉛筆やシャープペンシルをお勧めしているのは、修正が容易だからです。
プランニングの際に何度も修正したりちょっとしたアイデアをメモ書きすることもあるからです。
最終的なクライアントへの提出や、スタッフとの共有には必要はないかも知れませんが、監督、演出家がプランを練る際には、鉛筆やシャープペンシルをお勧めしています。
●ストップウォッチ
案外疎かにされがちですが、ストップウォッチはとても大事です。演技やセリフ、音楽の入り、カメラの動きなどのタイミングを計るために使用だからです。
動画の演出で大切なのはタイミングです。時間はどんどん流れていって動画のイメージは観客の記憶にはぼんやりとしか残りません。
その上、映画やCM、ミュージックビデオ殆どの動画は時間に制約があります。
限られた尺(時間)の中でどのカットにどれだけ印象を残すのか?というバランスや、よりダイナミックに見せる為の時間のコントロールを行います。
また、尺が分からないと、撮影の際のスケジューリングも難しくなってくるでしょう。
絵コンテ 演出用語解説
カメラワーク用語
● FIX(フィックス)
固定画面のこと。ほとんどの画面はこれ。
●PAN(パン)
カメラの位置を固定したまま画面を左右(または斜め)に振ること。
右PAN、左PANもしくは上手、下手へPANなどと指示する事もある。
● 付けPAN(つけパン)
被写体をつねにフレームの中におさめて被写体の動きに合わせてPANを行うこと。
● TILT(ティルト)
カメラの位置を固定したまま画面を上下(または斜め)に振ること。
T.U(ティルトアップ)やT.D(ティルトダウン)と指示する事もある。
● FOLLOW(フォロー)
カメラが移動しながら、被写体をいつも視野の中に収めて、その動きを追うこと。
● ドーリー
カメラが水平に移動して撮影すること。
● マルチ
マルチプレーンの略で、複数の段を使用した撮影のこと。段のいずれかに焦点を合わしてある。
◆ゴンドラ…カメラ前の段に焦点を合わせたまま段ごとカメラが下段に向かって近づいていく事。
◆密着マルチ…画面全体に焦点があっているマルチ。多重スクロール的な画面が作れる。
● 画面動
画面全体の振動を表現するために、絵全体を上下左右に意図的に動かして撮影すること。
「画面ブレ」も、だいたい同じ。
● 望遠圧縮
遠くの被写体を望遠でとらえると、遠くの距離間が圧縮されて見えること。
● 同ポジ
以前に出たカットと同じ場所(ポジション)。カットを指定している事もある。
● 逆ポジ
実際の画面はコンテ画の左右反対のアングル、つまり裏返しの絵という指定。
● ポン寄り
ある被写体の引きの絵から、次のカットで被写体に寄ること。
● 正面UP
人物の正面のアップ
● 半面UP
人物の横顔のアップ
● アオリ
ふりあおいでとらえること。
● フカン
見おろしてとらえること。
● ナメ
ある被写体ごしに被写体をとらえること。
知っておきたいカメラワーク5種類
演出用語
●in(イン)
被写体が画面舞台の中に入りこんでくること。
● out(アウト)
被写体が画面舞台の外に出て行くこと。
● 上手(かみて)
映画(スタッフ側)では画面の右。
演者はカメラに向かって左
● 下手(しもて)
映画(スタッフ側)では画面の左。
演者はカメラに向かって右。
● 兼(兼用)
以前使った動画素材、背景、レイアウト、原画などを再び使うこと。
編集用語
● F.I(フェードイン)
画面が段々明るくなる効果。
● F.O(フェードアウト)
画面が段々暗くなる効果。
● O.L(オーバーラップ)
画面と画面を重ね合わせる効果。カットのつなぎに使う事が多い。
● DF(ディフュージョンフィルター)
フィルターの一種で、画面をにじませる効果をもっている。
● サブリナ
爆発や光などの効果を高める為、例えば一瞬画面全体を白くさせたりする手法。
● A.C(アクションカット)
カットと次のカットで被写体の動きが連続するとき、その被写体の動きを前後でつなぐ感じに編集する事。
最新の 絵コンテ 事情 絵コンテのデジタル化
動画を設計する上で絵コンテは必ず必要な作業ではあるのですが、この作業を最近は疎かにされている傾向を感じます。
やはりきちんと作って欲しいので絵コンテを描いて欲しいのですが、そもそも手書きで書くというのはとても敷居位が高いですね。
最近ではパソコンでイメージの合う絵を探してきて当て込んで並べるという形で仕上げてしまうことが多いです。
特に予算感の少ない動画制作だと、MicrosoftのWardやExcel、PowerPoint、もしくはAdobeのPhotoshopやIllustratorで描いてしまうことが多いですね。
特にPowerPointは作成したスライドをリストで並べることができるので使われている方も多いのではないでしょうか?
広告系の場合はPhotoshopやIllustratorなどで美しく仕上げている現場も多いですね。
今では動画の撮影から編集をiPhone単体でもできてしまうことから、絵コンテを描かずに仮の動画イメージを作ることも簡単にできるようになりました。
この場合もうすでに仮の動画が出来てしまっているので、これだけでプレゼンやスタッフ同士での情報共有の為の絵コンテができているとも言えます。
このように仮の映像がコンテになっているビデオコンテというものもあります。
PowerPointで 絵コンテ を共有する
絵コンテは関わるスタッフの誰もが手軽に見れた方がいいですね。そしてちょっとした追記や編集も取り掛かるスタッフ全員ができた方がいいということもあります。
どの職場にもあるソフトといえばPowerPointではないでしょうか?
専用の特殊なソフトを使わなくても、完成イメージを共有するぐらいならばPowerPointでも十分です。是非使ってみてください。
また、絵が描けない人向けによく使うカットを用意しているサイトもあります。コマのイラストを並べるだけで使えるのでとても便利です。
PowerPoint用 絵コンテ 用紙のテンプレートをダウンロード
PowerPoint用のテンプレートを用意しました。
ダウンロードをして直ぐに使えるように、画像を簡単に差し込めるようにしています。スタッフ同士で共同で編集し合うのにも適してるかと思います。是非ご活用ください。
iPad Proで 絵コンテ を描く
アニメなどは勿論絵コンテは手描きなのですが、アニメの現場に関わらず手書きで絵コンテのラフを描きたいと言う方も比較的多いと思います。
手描きは思い立った時に、瞬間的に設計できるのが良いですね。しかし今の時代にわざわざ紙で描くというのもとても大変な作業ですので、絵コンテはiPad Proで描くことをお勧めします。
場所もスペースも時間も取らないし、思いついた時にすぐに取り掛かれるのがいいです。
そして共有も簡単ですし、クライアントに見せる為に綺麗に清書するのも素早くできます。
GoodNotes5 絵コンテ テンプレート
私は、iOSアプリのGoodNotes5をお勧めします。
GoodNotes5なら、このサイトでダウンロードできるテンプレートも使うことができます。
今、大抵のスタジオではB4サイズやA4サイズのコンテ用紙を使っており、コンテマンが自分に使い易い大きさの用紙を選択して描くのが一般的です。
iPad Proで絵コンテを描く場合、この用紙サイズについては気にしなくても良いのですが、印刷して現場で使う場合を想定して、配布用テンプレートはA4サイズに統一しています。
絵コンテ作成アプリで描く DROMI
DROMI という絵コンテアプリが登場しました。
書いた絵コンテが動画になるのはすごいのですが、そのまま印刷用のPDFにも書き出してくれるのがすごいです。
■描く(写真を取り込むのもOK)
iPadがスケッチブックになります
アイデアを編集画面で直感的に表現。描いたシーンをつなげるとあっという間に絵コンテが完成します。
画像の上に描けるので、色分けしてカメラの動きや被写体の動きを指示する注釈が書き加えれます。
■再生する(ビデオコンテを作れる)
描いたイメージをすぐに動画でプレビューできます。音楽に合わせたシーンの切り替えや映像効果を、編集しながら動画で確認。編集画面ですぐに調整できるので、作業時間を短縮できます。
音楽に合わせれます
音楽に合わせて簡単にシーンの編集ができます。誰でも精度の高い絵コンテを作成できます。
■共有する(印刷して現場で配る)
作成した作品は用途に合わせてさまざまな形式で保存、共有できます。保存形式は印刷、画像データ、動画形式などに対応しています。
・MP4:直感的な動画形式で動きを把握しやすいです。
・PDF:全体の流れが見れる、みやすい印刷用表示
・PNG:それぞれのシーンを画像形式一枚ずつ書き出せます。
カットナンバーや尺も表示してくれるので、印刷して共有した時も現場で抜けなくチェックできます。
ビデオコンテとは?
絵コンテはクライアントやスタッフに完成イメージを伝えたり、監督や演出家がプランニングをする為に使いますが、絵でコンテを切らずに直接プレ映像を作ってしまうことがあります。
編集ソフトがスマホでも扱えるようになったことから、ストックの素材やCGを使って簡単に尺出しができますので、簡易な映像を作ってしまう方が手っ取り早いこともあります。
今後、絵コンテの作成ワークはアプリだけで完結することになるかも知れません。
現在でも、静的な絵コンテのニーズは徐々に低くなり、ビデオコンテ 、アニマティクス 、プリビズ が一般的になりつつあります。
現場で考える時間を減らすことを考えると、予算とスケジュール管理された効率的な作品作りとなるとプリビズ作成による撮影計画と予算組は必ず必要となるでしょう。
- ビデオコンテ は、絵コンテの代わりに動画になっている動画コンテを言います。日本のアニメ業界ではこれを「ビデオコンテ」と呼ぶことが多いです。他にも「Vコン」と言い方もされます。演出の効果を自分自身で客観視して検証する台本として用いています。
- アニマティクス とは、動画制作の初期段階において各シーンや全体の流れを把握しやすいようにまとめられています。海外では一般的に呼ばれます。 昨今ではあらゆる映画でアニマティクスが制作されます。
- プリビズ とはPre Visualizationの略語です。 プレビズとも呼ばれます。 完成した状態を想像できるシミュレーション映像を作成することを意味します。ビデオコンテをCG業界では「プリビズ」と呼ばれます。
専用アプリでビデオコンテを作成する
今後は、絵コンテもデジタル化されていくでしょう。アプリだけで完結することになるかも知れません。
最終的な動画作品を完成するために必要な人物、ロケーション、カメラ、ライトをシミュレーションできて管理可能なソフトをiPadだけで完結できればとても便利です。
現在は、Storyboard Proというソフトがあります。
PC用のソフトになりますがフリーで絵コンテ(ストーリーボード)が描けるソフトともあります¥
仮の絵で動画を作ってしまってビデオコンテにする
ビデオコンテは設計図の次の段階の模型のようなものです。より詳しく制作者同士でイメージを共有する為に役立ちます。アプリを使用しなくても仮の絵や写真などをあてこんで、編集ソフトで作り込んでしまうと言う方法もあります。
この場合は撮影の絵以外はほぼ全て完成しているような状態です。
BGMを入れて文字などを仮で入れて、完成イメージにより近いものを作っておきます。デジタル時代だからできる方法です。
編集ソフトのタイムライン上にはすでに編集データが出来上がっている状態ですので、撮影してきた動画を差し替えるだけで完成する状態に持っていくことができます。
絵コンテ のクオリティを上げるためのプリビズ
紙の設計図の絵コンテに対して、映像は無限大に詰め込まれた情報の集まりです。つまり設計図の緻密さが映像のクオリティに直結します。
コンテの段階でどれだけ設計できるかが問われますが、所詮紙に描かれた絵なので詰め込める情報は限られています。できることは動きとレイアウトの指示が限度でしょう。しかしそれでも動画のクオリティはこの絵コンテで八割は決まります。
ではプリビズは何のために行うか?それは精度を上げるためにやるわけです。
現場の役者や、照明、または撮影時間が限られた現場での制作効率を上げるために行われます。
例えば、美しい夕日が差し込む限られた時間内に撮り終えなければいけない現場ではテストはできません。
キャストやロケ地との兼ね合いもあるかと思います。
限られた現場でのクオリティ、精度を上げるために、
ミリ単位で画角やレイアウトを決める。フレーム単位で役者の演技を決め込みたい時は、
プリビズを作成すると良いでしょう。
絵コンテ の事例 演出を分析してみる
僕は昔、中学生の頃エヴァンゲリオンの絵コンテで、コンテの切り方を学びました。
当時はエヴァンゲリオンのテレビ再放送でブームが起きていることでしたので書店に並べられていました。
絵コンテには作品の情報が沢山詰め込まれています。
当時は純粋に作品を楽しむ為だけに買って読んでいましたが、一つ一つのカットがとても丁寧に意図が込められていることが伝わりました。
人物の視線の意図や、配置のバランスで関係性を伝えています。
動画は一気に流れてしまう為一つ一つのカットに印象は残りません。
その為動画を設計をする時に丁寧に演出をすることを疎かにしがちですが、
優れた作品は無意識の部分にどう作用するか?をきちんと考えられています。
そういった部分を見つけるのに、有名な作品の絵コンテを読むというのはとても新鮮な経験ができます。
実際に 絵コンテ を読んでみる
有名なアニメ作品であれば、絵コンテは販売されていますので是非手に取ってみてください。絵コンテを読みながら作品を見るのもとても勉強になりますよ。
バラエティー番組を 絵コンテ にして分析する
バラエティー番組は絵コンテを描くことはほとんどないですが、逆に放送された番組から絵コンテを書くことで、番組の構造を解説した方がいました。
これはとても面白い試みですね。
完成した動画から設計図を作ることで動画がどう作られていくかを観察できます。
映像をたくさん見ることもいいですが、このように絵コンテを一度描いてみるのもいいかも知れません。
絵コンテ の事例
絵コンテの事例 をご紹介いたします。
実際に絵コンテを書いて動画を作る動画つくーるのワークショップやセミナーで作られた作品です。
近所のアイスクリーム屋さん
iPhoneセミナーの参加者の作品です。
動画つくーるトライアルショールームの近所にあるアイスクリーム屋さんフルーツモンキーのCMを作ってみよう!と言う企画で書かれた絵コンテです。
動画つくーるの紹介①
企画から撮影、編集、上映会までを一日でとりあえずCMっぽい作品を作ってみようと言う「動画であそぼ!」のワークショップで作った作品です。
動画つくーるの紹介②
企画から撮影、編集、上映会までを一日でとりあえずCMっぽい作品を作ってみようと言う「動画であそぼ!」のワークショップで作った作品です。
動画つくーるの紹介③
企画から撮影、編集、上映会までを一日でとりあえずCMっぽい作品を作ってみようと言う「動画であそぼ!」のワークショップで作った作品です。
絵コンテ を描いてみる 「カット割り」実際に演出してみる
さてだいたい、絵コンテがどんなものかわかってきたかと思いますので、実際に絵コンテを描いてみましょう。脚本に線を引いてカットを割るところ(字コンテ)から始めるのもいいですし、このサイトでダウンロードできる絵コンテ用紙を使ってみるのもいいです。
とはいえどのように描いていけばいいかわからないかと思いますので、動画における最低限のルール。原則を紹介します。
構図とレイアウト、カメラワークとカメラポジションと画角、カメラのフレーム内の被写体サイズなど映像が伝える意図をきちんと知って演出ができるようになりましょう。
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絵コンテを描くには演出をしなければいけません。具体的な演出がどのようなものかはこちらの記事により詳しくまとめていますので是非読んでみてください。
*随時更新、追記しています。お楽しみに!
構図とレイアウトを考える
- 構図 :画面全体の構成「フレーミング」「カメラアングル(アイレベル)」が含まれる。
- レイアウト :画面内における物体の配置を指す。物体をどこに(where)、どんな風に(how)配置するかを決める。
同じ意味合いの言葉に感じられるかもしれませんがこの二つは違います。構図は画面全体の構成示します。レイアウトは、画面内のものの配置を示します。三分割法や一点透視図法を組み合わせて決めていくことが多いです。
カメラワークと被写体のサイズ
- 被写体のサイズ :被写体はどのようなサイズ、構図になるか
- 被写体の動作 :被写体はどのような動きをするのか
- INとOUT :カメラのどの部分から画面に入ったり出たりするのか
- カメラの動作 :カメラ自体はどのような動きをするのか、固定(フィックス)なのか
カメラワークとカメラポジションと画角
動画の展開と視覚的表現を最大化することは、映像作品において極めて重要です。このプロセスでは、カメラワーク、ポジション、画角などの要素が、物語の感情的なトーンを決定し、視聴者の関心を深く引き付けます。これは、視聴者が物語に没入し、キャラクターやシーンにより深く感情的に関与することを可能にします。
具体的には、カメラの動きや配置、ショットの角度は、シーンの緊迫感や環境の感じを伝え、視聴者に対して強い感情的な反応を引き出します。例えば、緊密なクローズアップはキャラクターの内面的な感情を強調し、広角のショットはストーリーの文脈や環境のスケールを示します。
また、これらの技術的な要素は、視聴者に対して物語の中で重要な情報を伝えるためにも使われます。適切なカメラワークと画角の選択は、重要なプロットポイントやキャラクターの発展を強調し、視聴者の理解を助けるのに役立ちます。全体として、これらの要素の総合的な使用は、映像作品のストーリーテリングと視覚的な魅力を大幅に強化し、視聴者に忘れがたい視覚的体験を提供します。
カメラフレーム内の被写体サイズ
カメラに映る被写体のサイズを選ぶ際、映像制作者は何を視聴者に見せたいかに基づいて決定を行います。背景を強調したい場合、より広いショットを使用して、撮影環境やシーンの文脈を示すことができます。これにはロングショットやワイドショットが適しており、広範な環境を捉えることで物語の舞台設定や雰囲気を伝えることができます。
一方で、キャラクターの動きや行動に焦点を当てたい場合は、フルショットやミディアムショットが適しています。これらのショットは、キャラクターの全身または半身を捉えることで、彼らの動きや身振りを明確に示し、シーンの物理的なアクションやキャラクター間の相互作用を視聴者に伝えます。
さらに、キャラクターの細かい表情や感情のニュアンスを伝えたい場合は、クローズアップやエクストリームクローズアップを使用します。これにより、キャラクターの顔の細部が強調され、視聴者はより個人的なレベルでキャラクターとつながることができます。感情の表出、反応の細部、目の動きなどを捉えることで、物語の感情的な深みを増すことが可能です。
全体として、カメラに映る被写体のサイズは、映像制作者が物語をどのように語りたいか、どの要素を視聴者に強調したいかに大きく依存します。適切なショットサイズの選択は、映像作品の視覚的な展開と視聴者の体験に重要な影響を与えます。
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絵コンテを描くために演出を考えよう。構図とレイアウト、カメラワークとカメラポジションと画角、カメラのフレーム内の被写体サイズなど動画の演出の考え方をさらに詳しく紹介しています!
*随時更新、追記しています。お楽しみに!
絵コンテ を描くときのレイアウトの注意
絵コンテとは直接関係ありませんがレイアウトに関わる話なので、撮影や編集をする時に気をつけなければならないことをまとめておきます。
それは「セーフティゾーン(セーフエリア)」があるということです。セーフティゾーンとは、動画を表示する機器が違っても動画が確実に表示される画面の範囲のことを指します。
スマホやPCモニタの画面は100%表示が基本なので、今ではそれほど意識する必要は無くなってきましたが、テレビ画面など、表示機器によって画面の一部が表示されない(切れていることもある)のでセーフティゾーンは意識する必要があります。
絵コンテの段階では意識する事ではありませんが、明確な意図をスタッフに伝える場合は、頭の片隅に置いておくといいでしょう。
テロップを意識したレイアウト
文字が入る位置には被写体が重ならないようにレイアウトしましょう!
絵コンテを描くときにテロップの位置も指定しておくと良いです。
セーフティゾーンを意識したレイアウト
画面の端と端に絶対に写しておきたいものがあった時に、セーフティゾーンを無視して配置していると、どちらか一方、もしくは両方とも写すことができない、といったことがあります。
撮影の段階で気をつけなければならない、最終的には編集で確認する事ではありますが絵コンテを描いて演出する段階でも気をつけたほうがいいでしょう。
画面に端を使ったレイアウトは避けるという選択もありますし、もしくは意図的に端を使うのであれば、コンテの段階で明確に示しておく必要があります。
そうすれば、撮影の段階でも必ず映るように、もしくは最終的な編集でも調整できるように撮影できますし、その意図を組んでおけば、編集の段階でも調整が容易になります。
見えるか見えないかを狙いたい。そういうレイアウトであるならば、絵コンテにも示さなければいけません。
テロップのレイアウト
このセーフティゾーンはテロップの位置を決める時によく意識します。画面によっては文字が消えて読めなくなってしまうことがあるからです。
スマホやPCモニタの画面は100%表示が基本なので、あまり気にする必要はありませんが、画面の端っこに文字があっても見にくいので、セーフティーゾーンに沿ってレイアウトすると、バランスは取りやすいかと思います。
また、YouTubeなどの場合、再生のシークバーやボタンなどが画面の上に表示されるので、セーフティゾーンを意識すると見やすい動画になります。
動画編集ソフトのPremiere、AfterEffectsでは、タイトルセーフエリアやタイトル/アクションセーフと表記されています。
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動画編集の初心者向けにテロップ文字を見やすくする方法を解説する記事もございます!見やすいテロップにするには一定のルールがあり、そのルールさえ押さえておけばデザインの知識がなくても大丈夫! そこで今回は動画編集の初心者でも簡単にテロップを見やすくする方法をご紹介したいと思います。ぜひ読んでみてください!
*随時更新、追記しています。お楽しみに!
カット割りをしてみる
いざ絵コンテを描いてみようと思ってみてもそもそも、どうすればいいかわからない方がこの記事を読んでいるかと思います。これまでの項目で説明されている通り、絵を描く必要はないということはわかってはいても、どう画面を決めて、どういう理由で別の絵に切り替えるのか?わからない方も多いと思います。そこでこの項目では、カット割りについて解説していきます。
カット割の必要性
一つのシーンを伝えるときに動作を切り分けて撮影しそれを繋げることをカット割といいます。カット割りは制作者の意図や想いを映像に込めるための演出です。つまりカット割りをするということは演出をしているといって良いでしょう。
撮影の段階でどの画にするのか?といった画角のバリエーションと編集の段階でどのように組み合わせるのかという繋がりの組み合わせパターンが多くあるほど映像表現の幅も広がり、観客に意図を伝えやすくなるでしょう。
このようにカット割りには撮影と編集の両方の知識が必要となり、動画における監督の重要な役割となります。
動画でわかるカット割の教科書
カット割がとても重要なことは分かるが、初心者・未経験者には、撮影の経験や編集の経験も乏しく、そもそも、つながりがどう影響されるかわからない方がほとんどだと思います。これらは本当に沢山映像を見ることで養われるものですので、いざカットを割る段階になっても、イメージが思い浮かばないといった方も多いと思います。
そこで、カット割りについてとても参考になる書籍をご紹介させていただきます。
難しいカットや考え方はわからない方でも、この本を読むとすぐに真似できるように書かれています。シチュエーションや日常の動作や、意味の伝わる行動などまでたくさんの事例が掲載されています。また書籍の図解だけでは伝わりにくい部分も書籍内のQRコードを読むことでYouTubeにアップロードされた動画を見ることができます。細かいカット割を比較できる動画を見比べることで観客の立場で学ことができます。初心者・未経験者ほどオススメですのでぜひ読んでみてください。
動画でわかるカット割りの教科書 / 藍河 兼一
(練習用の動画ファイル・お手本動画付き)
- 出版社 : 玄光社 (2020/7/20)
発売日 : 2020/7/20
人物の行動を映像化するための撮影&編集術
動画本数235本、103の場面で解説します!
103のシチュエーションで考察したカット割りをコマ割りと動画で紹介していますので、人物の行動を映像化するために身につけたい撮影と編集のノウハウを具体的に学習できます。235本の作例動画それぞれにQRコードが付けられていますので、それを読み取れば、スマートフォンやタブレットで直接再生することが可能です。映像制作を勉強している方には最適な一冊です。
【Contents】
第1章行動に「意味」を込めるカット割り
第2章日常動作のカット割り
第3章「旅」番組のカット割り
第4章恋愛ドラマのカット割り
第5章アクション映像のカット割り
第6章実景のカット割り
第7章NG編・混乱を招くカット割り
第8章実践編:脚本から読み取るカット割り*本書は月刊「ビデオサロン」誌で2011年7月号から2019年11月号まで連載していた「極・ト書き一行のカット割り」を再構成したものです。
動画でわかるカット割りの教科書 / 藍河 兼一
動画演出について
絵コンテの書き方が分かっても、演出方法がわからなければそもそも絵コンテは書けません。それはもうひたすら動画を大量に見まくってインプットするしかありません。
しかしそれでも、わからないという方の為に体系化された演出技法というものは必ずありますので、本などで調べてみるといいでしょう。
本を参考に映像の演出を考える
本を手に取り先人の知恵を借りましょう。誰もがスマホだけで簡単に動画が出来てしまうからこそ、きちんと学ぶことが必要です。断片的に寄せ集めただけでしかない情報をきちんと体系化された知識にする。映像制作を学び続けていきたい人にオススメする 動画の本 をご紹介させていただきます。
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映像制作を学び続けていきたい人にオススメする本を、世間を賑わせている動画クリエイターが出版した話題の本や、私が読んできたオススメの本を感想も交えてご紹介させていただきます。
演出とは考え方を示す仕事です
動画を作るには、観客にどう思って欲しいのか?どう感じて欲しいのか?といったように観客に伝えるのかの方向付けをする作業を演出と言います。演出は動画の方向性を与え調和をはかる役割を持ちます。動画に携わるものとして観客に伝わるようにきちんと演出することが必要でしょう。
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絵コンテを描くために演出を考えよう。動画を作る前に設計しよう!動画演出の考え方を紹介します!
*随時更新、追記しています。お楽しみに!
これからの動画演出について
撮ってきたものを纏めて編集するのも一つの表現方法ではありますが、それは自分の感性だけに頼ることになるので、限界はいずれ訪れます。
自分の限界を越える為には、他者の協力が必要です。お互の感性がぶつかり合ったり共感しあったりする事で新しいものが生まれます。
お互いに協力し合う為にも自分の思いをぶつけれる設計図(絵コンテ)が必要になります。
絵コンテで動画は設計されます。それは紙に書かれたものに限りません。
ビデオコンテ、アニマティクス、プリビズなど、さまざまな形の設計図(絵コンテ)があります。
それらを駆使して動画演出を作り込むことができる。
動画演出をするということは、人間の頭の中にしかない世界。人間の頭の中にある実在しない映像を作ることです。
できてしまったでは、つくったとは言えないでしょう。
頭の中だけのイメージを現場で再現できるように準備する。
全体のコストと余計な手戻りを削減するだけではありません。新たに創造するためにコンテを切る(プリビズを作る)んです。
シン・ゴジラ、シン・エヴァンゲリオン劇場版では、いくつかのカットでは絵コンテの前にプリビズを行っています。
完璧な構図を作る為です。現場で徹底的に作り込む
密度の高い動画を作る為に事前に現場を再現するのです。
スタッフ同士がお互いに共有し合える現場を再現しておくことで、独りよがりの机上の空論ではない演出が生まれます。
これはリハーサルを重ねながら演出を作っていくようなものです。
机上の空論だけでは気付かなかった効果的な演出を発見することができます。それがプリビズの新しい活用法です。
自然でリアルな役者の生の演技を活かしつつ演出家の意図した方向に動画の力動性を加える。
そう言った設計が事前にできてしまうのはとても素晴らしいことだと思います。
それは、仕事として商業作品として作られてきた動画がアートの世界にまで昇華できる様になったということでもあります。
誰もが驚くような、凄い!面白い!と言わせる動画を作れるように、ぜひ絵コンテを書いてください!
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