「オーガスと」の動画を見たことがありますか?
クリエイターインタビュー第10弾は動画クリエイターグループ「オーガスと」。主にTikTokを運営をし、フォロワー約17万人(2023年7月現在)を誇る。TikTokに投稿されている動画のように、笑いの絶えないインタビューです。
TikTokはユウトさんと里島さんの2人が出演していますが、主に撮影を行うあつとさんと一緒に「オーガスと」3人のユニークな話がたくさん伺えました。結成のエピソードや企画の仕方、TikTok運用のメリットや気をつけるポイントなど話題が尽きませんでした。
オーガスと人気動画
プロフィール
TikTok運営グループ「オーガスと」
高校の同級生で集まり2022年8月結成。同年12月より動画投稿を開始。当初は投資情報を発信していたが、翌年2月にエンタメ系に切り替えたところ、投稿動画「逆仮面高校生」が170万回以上の再生される。
「逆仮面高校生」以降、「ブサイクでも恋がしたい」「ブサイクVSイケメン」などシリーズ企画などを展開し、多くの再生数を伸ばす。
取材時(2023年)、3人とも現役の大学生。大学生として勉学に励む傍ら、動画配信を行う。出演は主に青い髪が特徴のユウトさん・口元のヒゲが特徴の里島さん。今はショート動画の配信が多いが、今後は長編動画へのチャレンジや主に撮影を担当しているあつやさんの出演を目論む。
現在は大阪難波で「カヌレとアイス」というスイーツ店も運営しており、金・土・日曜日の限定で開店。スイーツ店の詳しい情報は本文で紹介。
■個人アカウント
ユウトさん
- Instagram:@august.yuto
- TikTok:垢抜けイケメン
里島さん
- Instagram:@august.satojima
- TikTok:子鹿ちゃん@奈良の人
くすぶる現状を変えるために始めたのはYouTubeではなくTikTok⁉
−「オーガスと」が結成するきっかけは?
ユウトさん
元々3人は高校のときの同級生で、大学生になってもよく遊ぶ友達でした。コロナの影響で大学生になってから2年生までずっとオンライン授業だったので大学に行くこともなく、暇を持て余していたんですよね。
ふとしたときに「このまま遊んでばかりだとダメだな」と漠然と思い始めて、「みんなで一緒に企画して、何かビジネスを始めよう」と話し合って、2022年8月にそれぞれ企画を持ち寄りました。
当初はみんな、あまりビジネスの知見がないため「ビジネス=YouTuber」としか発想が思い浮かばなくて、みんなYouTubeの企画を持ってきたんですよ。
−どんな企画を持ち寄ったんですか?
里島さん
僕は「メンバー全員が猫になりきる」という企画を考えてました。当時、ペットの動画が人気だったので、自分たちがペットになりきった動画を投稿すれば人気が出るんじゃないかなと思って。
あつやさん
僕が企画したのは「宇宙戦隊チャンネル」。みんなで戦隊モノのコスプレをして、エンタメ系の動画を投稿しようと思ってました。
−ユニークに富んだ企画ですね 。そこから、どのようにTikTokを運用することになったのでしょうか?
ユウトさん
みんなYouTubeの企画を考えてきてくれたんですけど、今のYouTubeは市場が成熟してて、知名度のない僕らが新規参入しても、すぐに再生数を伸ばすのは難しいと思ったんです。それで、まず自分たちの知名度を上げようと考えました。
TikTokが世間的に話題になりはじめていた時期だったので、まずTikTokで人気になればYouTubeなど次の展開につなげやすいんじゃないかと思って、TikTokをやろうとなりました。
投資からエンタメへ!楽しく続けられるチャンネルづくり
−現在の投稿はユウトさんと里島さんが絡むエンタメ系動画ですが、はじめから現在のような動画だったのでしょうか?
ユウトさん
当初は今のようなエンタメ系ではなく、投資動画を投稿しようと思っていました。ユニークにノウハウを紹介する投資チャンネルであれば、他にはないオリジナリティのある投稿ができるんじゃないかと考えていたんですよね。
でも、致命的な問題点があって。僕たち誰ひとりとして投資の知識がなかったんですよ 。それと、みんなでお金を集めて投資を実際にしようと思ってたんですが、お金も集まらなくて 。Webで検索した情報をそのまま話しているだけの動画になってしまってました。
あつやさん
無理をしてやっていたことなので、投資チャンネルを続けることで知名度が上がったとしても、それは「僕たちがなりたいと思っていた未来の姿じゃない」と考えるようになり、「すぐに知名度が上がらなくてもいいから、楽し続けられる動画を投稿していこう」とみんなで話し合って、チャンネルを作り直して現在のエンタメ系動画の投稿をはじめました。
里島さん
投資チャンネルをやっているときは、アクセス数やフォロワーが全然増えなくて。メンバーみんなの空気感が、めっちゃ殺伐としてましたね 。投資チャンネルの投稿を見返すと「こんなのバズるわけないだろう!」という動画ばっかり 。
バズる企画を作るコツは「人気企画を当てはめる」
−今の企画をやるきっかけは?
ユウトさん
高校3年生のときにみんな同じクラスだったんですが、じゃんけんで負けたら罰ゲームとして授業中に変なことをするという遊びをよくしてたんです。
里島さん
授業中に立ち上がって変なことを叫ぶとか、ノリでふざけてましたね。
ユウトさん
最初、TikTokに投稿する動画の企画を考えていたときに「高校生の時にやっていた、授業中に罰ゲームをやってたの楽しかったよな」と話して、はじめの方はじゃんけんで負けた人が罰ゲームをするという企画で投稿してました。
あつやさん
そんな動画を投稿しているときに、仮面をつけて街中の女の子に「僕がイケメンだったらハグしてくれますか?」と話しかけて仮面を外すと本当にイケメンが出てくるという動画が投稿されている「仮面高校生」というチャンネルが当時すごい人気で再生数を伸ばしていました。
ユウトさん
この「仮面高校生」の動画を見たときに、仮面を外すと逆にブサイクだったらおもしろいんじゃないかと思ったんですよ。それで「これができるのは君しかいない!」と里島に仮面を被ってもらい、「仮面高校生の中身がブサイクだったら」という動画を投稿したらすごい再生回数が伸びて、はじめて100万回再生しました。それがきっかけでイケメンとブサイクという今のような動画になりました。
-投稿動画の企画はどのように決めるのですか?
ユウトさん
最近は企画を考えるときに、TikTokやYouTubeのおすすめ欄をまずチェックします。そこで再生数が伸びている動画があれば、その動画が「なぜ再生数が伸びているのか?」「どこがおもしろいのか?」という、その動画が再生されている理由を考えて、その理由を僕たちのキャラクターに当てはめて「僕たちなら、こんな動画が作れそう」と企画を作っています。
例えば、仮面高校生は「女の子の反応がおもしろい」「顔を隠して視聴者を引き付ける」という人気である理由がありました。「この要因をブサイクに当てはめたら、おもしろいのでは?」と思って作ったのが「仮面高校生の中身がブサイクだったら」という企画です。
里島さん
「ブサイクでも恋がしたい」というシリーズ企画もしたのですが、これは最近流行っている恋愛リアリティ番組が人気である理由を考えて、自分たちに当てはめてパロディー企画にしてみました。
-このような企画は、みんなで話し合ってるんですか?
ユウトさん
そうですね。それぞれが企画を持ち寄って、話し合って企画を決めます。だいたい週1回の頻度で定期的に集まって、企画を考えたり動画の撮影をしたりしています。
あつやさん
目先の企画だけではなく次の企画や将来のことなど、いろいろ話し合っています。僕ら仲がいいんで、雑談も多いんですけど。
目標は30万⁉目指すは「YouTube→オーガスと&ファンの国」へ
-「オーガスと」として今後の目標は?
ユウトさん
僕たちの最終目標は「自分たちとファンの国を作りたい」ということです。
具体的には、自然を生かしたアクティビティやサウナを作ったり、音楽フェスや僕たち以外のインフルエンサーに会える楽しいエンタメイベントをやったり、みんなに楽しんでもらえるアミューズメントパークを作りたいと思っています。
あつやさん
その目標に向かって、これから展開しようと考えている企画があります。僕のおばあちゃんが近畿圏内に山を所有していて、この山を開拓する企画シリーズを、数カ月後にはYouTubeでロング動画の投稿にチャレンジする予定です。僕のおばあちゃんも「自由に使っていいよ」と言ってくれていて、本当にありがたいです。
まずはその山を開拓する企画シリーズを軌道に乗せて、どんどんファンを巻き込んで楽しんでもらえる大きな企画もしていきたいですね。
半年後にYouTubeの登録者数を何人にしたいですか?
「せーのっ」で一斉に言ってみてください。
※インタビュー時のYouTubeチャンネル登録者数 約9000人
5万人
3万人
30万人
・
・
・
ふたりとも少なすぎるんじゃない?
あくまでも目標なんだから、せめて10万人にしようや。
さすがに30万人は多すぎるやろ。
最初の方に再生数が伸びる動画を投稿できれば、登録者数も跳ね上がるかもしれへんけど。
うーん、目標として登録者数5万人が妥当じゃない?
いや、2人ともヤル気ないな…。
いつも、こんな感じでミーティングをされてるんですね。
ほんとに仲がいいですね 。
↓ユウトさん、あつやさんの目標の低さに落胆する里島さん
手軽にできる!プロも認める編集
-撮影の仕方について研究されているんですか?
あつやさん
いえ、研究ということはしてないですね。でも昔からいろんな動画を見ているので、他の動画を少し意識して撮影することはあります。所詮、僕の撮影は素人の撮影だと思うので、プロ(動画つくーる・瀧野店長)を目の前にして撮影の話をするのは恥ずかしいですね。
動画つくーる・瀧野店長
TikTokの投稿動画を見させてもらいましたが、上手な撮影だと思いますよ。アドリブではなくて事前に企画して撮影されているので、笑いを取る場面や興味を引くポイントではアングルを変えたり、対象者にカメラを寄せたりができているので「きちんとポイントを分かって撮影してるな」と感心して投稿動画を見てました。
あつやさん
ありがとうございます。プロに褒められて、ほんとに嬉しいです。
-きれいに編集もされているなと思うのですが、編集はどこかで勉強されたんですか?
ユウトさん
僕が編集をすることが多いのですが、どこかで勉強をしたわけではなく、ほとんど独学ですね。僕も昔からYouTubeやSNSで動画をよく見ていて、今も動画を見ながら「こういう編集の仕方があるんだ」と参考にしています。
実際に自分たちの動画を試行錯誤しながら編集をしてきたので、経験を重ねたことで覚えたというのが大きいですね。僕が覚えた編集方法を、あつやに教えて編集をしてもらうこともあります。
-動画の編集にソフトは何を使ってますか?
ユウトさん
編集ソフトは「CapCut(キャップカット)」を使っています。iPhoneアプリとパソコンのブラウザーで編集ができるアプリです。僕は移動中や授業の間にiPhoneで編集しています。できるだけ多くの動画を投稿したいので、iPhoneで編集できるのは手軽でいいですね。大学生なので、無料で使えるのも嬉しいです 。
運用で大事なのは再生数よりファンづくり
-TikTokを運用していて、これまで失敗したと思ったことは?
ユウトさん
動画の再生数を意識しすぎていたのは、良くなかったなと思います。動画の再生数を多く伸びても、僕たち自身のファンになってくれる人がいないと今後につながらないんですよね。
例えば、僕たちがやってきた「イケメン対ブサイク」企画シリーズをの再生数はすごく伸びたのですが、多くの人が僕たちのファンになるのではなく、「イケメン対ブサイク」企画シリーズのファンになってました。
あつやさん
企画にファンがついてしまうと、僕たちが新しい企画をはじめる度に1から新しいファンを見つけないといけません。でも、僕たち自身のファンになってくれると、新しい企画をはじめても継続して応援してくれます。再生数というのは分かりやすい指標なのでつい意識してしまうんですが、視聴数だけを意識した動画ばかり投稿しているとユーザーが飽きて離れていくんですよね。
TikTokに限らず、これからYouTubeやSNSの投稿をはじめようと思っている方は、再生数だけではなくファンづくりも意識した企画することをおすすめします。
-「オーガスと」として、ファンづくりについて気をつけていることは?
里島さん
今までは街頭インタビューや他の出演者も交えた動画を投稿してきたのですが、最近はユウトと僕(里島さん)のふたりだけが出演する動画を増やして、多くの人に僕たちの人間性を知ってもらえる動画を投稿ができるよう心がけていますね。
ビジネスにもおすすめ!TikTokを使うメリット・デメリット
-これからTikTok投稿を検討されている方に向けて、TikTokのメリット・デメリットを教えてください。
里島さん
他のSNSと比べて多くの人の認知を得やすいというのが、TikTokのメリットです。TikTokは1本目の投稿で100万回以上再生される可能性があります。企業や個人事業主など、PRしたい商品やサービスを持っている方には相性のいいツールだと思います。
ユウトさん
ただ、TikTokユーザーはおすすめされた動画をスクロールして見るだけなので、発信者とユーザー間でのコミュニケーションが取れないというデメリットがあります。再生数が伸びて多くの人の認知を得ても、TikTokのみで顧客を購買へと促すことは難しいと思います。
顧客を購買へと促したいなら、InstagramやLINEの方が優れてるので、PRとしての効果を大きくさせるためにTikTokと一緒にInstagramやLINEといった他のSNSを活用することがおすすめです。
-これからTikTokをはじめる人に向けて、投稿するうえで気をつけることはありますか?
TikTokでは興味を持ってもらえないと、すぐスクロールされて投稿動画を見てもらえません。すでに興味を持っている企画動画や好きな芸能人・YouTuberであれば少し長い動画でも見てくれますが、知らない人の投稿動画は再生時間が1分でも見られるのは難しいです。
最初は30秒くらいの短い動画を投稿することがおすすめです。動画を見てくれるファンがついてきたら、少しずつ長い動画にチャレンジしてみましょう。
オーガスとさんからPR
オーガスとに会えるアイス屋 「カヌレとアイス。」 大阪・難波
場所:大阪府大阪市中央区難波3丁目1−33 1F