関西にもすごい動画を作ってる動画クリエイターがいるんです!
Twitterでバズってるこれはヤベェ〜って思える動画ってあると思います。
作っている人が気になって検索しみても、なかなか見つからなかったりする事が多いです。
見つかったとしても、関西ではなくてやっぱり東京で働く人だったりが大半です。
すごい動画を作っている人って時点で、なかなかレアなケースなので、動画を作っている人にめぐり合うことはないですよね。
でも今回そんなすごい動画クリエイターさんと会ってしまったのです。
まずはこの動画をみてください!
有名動画クリエーターにあったイベント #クリ寺
ども!正方形でしか動画を撮らないと誓ったiPhonegrapherのTarCoon☆CarToonです。
2018年11月25日(日)に大阪堀江の『萬福寺』にて、
関西で活躍するプロ映像クリエーターによる
次世代クリエーターのためのセミナー&ワークショップが開催されました。
冒頭でお見せした、これはヤバイwと感じさせる『石田三成のCM』
こういう面白い動画を息を吐くように作っていくクリエーター達が集まったのが今回のイベント、
『 動画クリエーティブ寺子屋 』なんです。
動画クリエーターが集結しました!場所はガチでお寺
イベントの開催場所もお寺という、普段の生活ではなかなか立ち入ることのない場所。堀江公園前の『 萬福寺 』です。
萬福寺は若者に向けて様々なイベントを開催している日本の伝統仏教としては積極的なお寺に感じました。
最近では、就活や仕事、「働くこと」に関する悩みやストレスを抱える人に向けた企画もしていたりしました。
「お坊さんによる人生相談」
「キャリアカウンセラーによる仕事相談」
自分の働く軸を見つける「就活サポートセミナー」
「喋らないコミュニケーション講座」「暗闇ごはん」など
素敵なサイトで、積極的に若者に向き合った先鋭的なお寺ですね。
*イベントは終了しています。
寺子屋で動画制作者に向けたイベント
先鋭的な場所には、やっぱり先鋭的なクリエーターが集まるんですね。
今回の『動画クリエーティブ寺子屋(略して #クリ寺 )』 は、広告業界で働くプロフェッショナルな人達が、次世代の動画クリエーターを育てようと、次世代の若者を救おうと立ち上がった訳です。
OMUSUBIというクリエーティブグループ
今回のイベントは、関西で活躍する動画クリエーターたちによる映像研究と人材育成、交流を目的とした勉強ユニットOMUSUBI(オムスビ)が企画してくださいました。
みなさん広告系の動画を扱っているという事で
本当にこのビジョンには共感しました。
動画つくーるも、トライアルショールームも、これからの動画を始めようと思っている人たちを応援しようと運営していますが、
ここまで積極的になれなかった自分に恥ずかしさを感じながら、と同時に憧れですね。
オモシロイもの、カッコイイ演出をする人と会えたのはとても感動しました。
その感動を一つ一つ紹介していきたいと思います。
イベントの内容
内容は、前線ですごい動画を作り上げる動画クリエイターのお話を間近で聞けるトークセミナーと、現場で活躍するプロフェッショナルに教えてもらえる体験型のワークショップ、企画資料などの常設展示がありました。
そして、最後はアフターパーティー交流会で盛り上がりました。
セミナーは全部で3限+ワークショップ2種
6時間というとてもボリュームのある内容。ほぼ1日使って動画のお話を聞けたのはとても満足感のあるイベントでした。
内容は全部で7個
- 1限目 InterBEEレポート
- 2限目 谷田光晴の舞台映像演出の最前線
- 3限目 藤井亮大解剖
- 常設展示
- ワークショップ
- CM編集マンによるAfterEffect特訓 ~AEの精神と時の部屋~
- CMカメラマンによる動画撮影ティーチング ~デジ1からプロデュースまでお悩み相談~
- 放課後
1限目 OMUSUBIの『 Inter BEE 2018』レポート~最新機器を学ぶ~
11/14-16に幕張メッセで開催された、 Inter BEE 2018(国際放送機器展)で展示されていた最新映像機器の情報やAdobe製品アップデート情報などを動画機材やソフトウェアの最新トレンドを、写真のスライドを見ながら、OMUSUBIのみなさんからお話を伺いました。
最前線の現場でバリバリと働くプロフェッショナルだからこそわかる。機材の面白ポイントなどお話ししてくださいました。
若者や女子が多い
まず開口1番に聞いて驚いたのが、明らかに客層が変わってきたそうです。
これまでのInter BEEでは、如何にも撮影現場で働いています!というガチガチの業界マンや、とてもマニアックな機材オタクが多い印象があったのですが、
最近は女子大生や若い学生の方が多く、これから動画を始めようとしている人が増え始めたんだなぁ〜という印象があったそうです。
『動画つくーる』もこれから動画をやりたいと思っている人たちを応援していきたいと思っているのですが、まさに今その時代の変革が始まっているんだ!という印象を持ちました。
小型化する機材
昔は大掛かりで、大人数のスタッフに支えられて撮影していたステディカムも、今や1オペでもできるようにジンバル(スタビライザー)がいろんなメーカーから発売されてきているみたいです。
やっぱり中国メーカーの勢いは著しく、どんどん今まで知らなかったメーカーが出てきて凄いというお話をされていましたね。
一人でも撮影できる小型の照明機材にも注目していました。
光量も強く、そして色温度も変えれる小型のLEDライトは、個人制作されるビデオグラファーさんには非常に役立つのではないでしょうか?
VR用マイク
VRの世界を作るのがもっと手軽になるそうです。
今まで360°録音できるアンビソニックマイクです。これも機材の小型化の一つで大掛かりな準備が必要だったそうです。
無指向性というわけではなく、すべての方向性に指向性マイクを向けているので聞かせたい音のボリュームを上げる事ができます。
例えばVRゴーグルで向いた方向の音がより明瞭に聞こえるだとか、自分に近ずいてくる音が右なのか、左なのか、それとも後方から迫ってきているのか?そういう音を伝える事ができるマイクです。
もちろん編集で調整するのは大変なのでしょうけれども、これ1台で360°すべてカバーできるのは画期的だよね!というお話をされていました。
アンビソニックに関する情報は以下のサイトに詳しく書かれています。
Premiere Rushが凄い!
11/19-20にパシフィコ横浜で開催されたAdobe MAX JAPAN 2018のお話もされていました。
そこで発表されたPremiere Rush。
最近ではカメラが小型高性能化されてiPhoneやiPadで撮影する事も多いと思います。
個人的にもiPhonegrapherがどんどん増えてきていると実感があるのでこのアプリはおすすめ!
それが『Premiere Rush』なんですね。
Premiere Rush CCはパソコンでもモバイルでもビデオ編集可能――AdobeからYouTuber向けツール登場
編集の細かい調整を気にせずに出来るっていうのが魅力的!
それよりも動画のプロフェッショナルの立場からいうと、撮影の帰りの新幹線の中で仮編集ができるというのはすごい!休む間がない!と仰っていました(笑)
現場で撮影して、そのまま簡単に編集ができちゃうというのは、すごい。しかもその編集データはクラウドに保存されているのでデータ転送など気にせずに、
そのまま別のPCで本編集を行えるというのは便利ですよね。
Inter BEEに参加すると凄いクリエイターさんに会える!
イベントでは技術的なお話だけではなく、作り手側のお話が聞けるのもオモシロイところ。
という事で、機材だけではなく動画の作り手なら、同じつ作っている人のお話を伺って刺激を受けたいと思っている人もいるかと思います。
Inter BEE では『シン・ゴジラ』の監督と特技監督を務めた樋口真嗣 監督も来られていたそうで、ガイナックスファンとしては是非行きたかったなぁ〜と思いましたね。
個人的にもInter BEEは機材展示会で機材しか置いていないと思っていたので、こういうイベントもあるという事にとても驚きました。
そんな中でも特にすごいなぁ〜と思ったのが、米津玄師の「Lemon」など、話題のミュージシャンたちのMVを手がける映像作家・山田智和という、
話題の人が登壇してお話されていたのは、動画クリエーターとしては是非とも行くべきだなぁ〜と感じました。
米津玄師の「Lemon」の場合は正方形で撮られているんですよね。
これがかっこいい。なんで正方形にしたのか?だとか演出の意図も聞けるかもしれない。
Inter BEEは演出家としてもいい刺激を受ける場所かもしれません。
(山田智和 監督の作品)
Inter BEEは技術者だけでなく演出家も全ての動画クリエーターが楽しめる場所!
個人的な感想ですが、OMUSUBIのみなさんのお話を伺って思ったのが、動画を作る人ならば誰もが楽しめるイベントなんだなと思った事。
動画つくーるでも技術者はInter BEEに参加しているのですが、制作側の人間は行ったことがなかったので、Inter BEEがこんなにも面白そうなイベントだとはとても驚きでした。
きっとこれからビデオグラファーなどの個人動画制作者だとか増えていくわけですから、Inter BEEにもどんどん若い人たちが参加していくようになるのではないかな?と期待しています。
来年は関西からもツアーを組んで、みんなでInter BEEに遊びに行くイベントをしたいなと思いましたね。とてもいいお話を聞けました。
2限目 谷田光晴の舞台映像演出最前線
「NINTENDO Switch presentation演出」「海の京都 新・羽衣伝説 転生離合 総合監督」「6代目道頓堀グリコサイン映像監修」などを手がけたSPOON・谷田光晴さんのトークセミナー。
まずはその映像の格好良さを感じましょう。
早くからプロジェクションマッピングでの作品を手がけてきた、谷田光晴さん。
舞台映像演出、過去に手がけた作品のお話を企画から技術的なお話まで解説してくださいました。
そして映像メディアの未来をお話しで最後を締めくくられました。
NINTENDO Switch presentation演出や京都のプロジェクションマッピングは、かっこいいですね。
こういった映像を作る方というのはどういう人がやられているか、とても気になっていました。
それが、昔からとても関心があった世界の人だと知ってとても関心が惹かれましたね。
関心があった世界というのは、クラブで映像を演出するVJという世界です。
一昔前、僕が高校生の頃だっと思います。クラブでVJがとても注目されていた時代がありました。
僕もDJはやらないけど、VJをやったら女の子にモテるんじゃないか?と思っていました。
結局僕はVJになることはなかったのですが、あの時代関西のクラブで活躍していた人が、日本で最初にプロジェクションマッピングを使った舞台映像演出をしていた事に感動しました。
すごい事をする人というのは、積極的に新しい事にチャレンジをして時代を切り開いていくんですよね。
NINTENDO Switch presentation演出
谷田光晴さんがこれまでの人生の節目の集大成と仰られていた演出。
若い頃の仲間がまた集まって、一緒に大きな仕事を手がけるというのは、ご本人も感動的な仕事だったと仰っていました。
Switch presentationは、これから何が発表されるんだろう?といったわくわくした気持ちさせてくれる演出がいいですね。
Switchが発表された時、テレビでもニュースで取り上げられていましたね。
ただかっこいいだけではない。しかもこれを日本でやっているのが凄い!誇りと自信を感じました。
プロジェクションマッピングの向かう舞台映像演出の未来
僕個人が初めてプロジェクションマッピングを見たのは2013年頃だったのですが、初めて見たときはとても新鮮で、
どうやって作っているのか?というのは全く見当もつかなくて驚いた事を覚えています。
そのプロジェクションマッピングを早くから手がけていた方のお話を直接聞けたことが何よりも感激だったのですが、
それ以上にこれからの舞台映像演出のお話を聞けたのが良かったですね。
舞台映像演出の魅力は、現場感であるということ。
体感ではなく体験できるというのが舞台映像演出の魅力だとお話をされていました。
舞台映像演出の可能性
最近ではVRがもてはやされていますが、その次に来るORのお話。
「人間は質量のあるものに感動する」との考えからVRの次にフェーズは必ずやってくると仰っていました。
確かにVRといっても視覚の上では画面(VAの場合バイザー)からこちら、絶対値を超えて手前には来ない。
それを見せることができるのが「OR (オーバーリアリティー)」と提唱。
VRの次はORやで!って舞台映像演出の谷田さんが仰ってる!確かに体感と体験の差は大きいです。
VRはリアルに感じるかもしれないけれども、所詮体感しているだけなんですよね。それと質量的なリアリティーを感じれる体験は全然違う。
現実の空間で体験できる映像演出が求められてくるのではとお話されていました。
3限目 藤井亮大解剖
トークセミナー準備中にさっと「クリ寺」のハッシュタグを描く、藤井亮さん
打ち合わせ中のラフ案はiPadで済ませるそうです。
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3限目の登壇者は、この記事の冒頭でも掲載した「石田三成CM」など、とてもユニークな動画を手掛ける藤井亮さんです。
作品の制作過程の話やバズる動画を作る秘訣、面白いアイデアの出し方などを大解剖してみようという企画。
早速、作品を見ながら当日どんなお話をされていたかをご紹介します。
「石田三成CM」
一見何のCMかわからないですが、これは滋賀県をPRする為のCM。
総集編とあるが、実際には一気に制作されたそうです。藤井亮さん曰く『数の暴力』で、目立たせるしかないと判断されたそうで、
最初の段階から全て作る予定で、第一弾がウケたから作ったわけではなく大量に見せて惹きつけさせようとしていたそうです。
「サウンドロゴしりとり」
上映中は終始笑いが起こっていたサウンドロゴしりとり。
これでもか!と言う程考える間を与えずに作品を流すのは、これも『数の暴力』作戦だそうです。
ただサウンドロゴを流すだけではなく、一捻り欲しいなということでしりとりにしたらしいですが、
パワーと勢いがすご過ぎて、しりとりであったことに気づかないのが面白い。
この「サウンドロゴしりとり」は、Eテレの『TECHNE』用に製作した動画。
これらの作品は一見パロディに見えますが、オリジナルがない模擬・模造・幻影の様なもの「シュミラークル」なのだそうです。
確かに石田三成の第二弾CMと違って「あるある」だけども、似た物が無いんですよね。、ありそうでないものを作るため「本物を見ない。記憶だけでコピーする」といったポリシーをもって制作されたそうです。
「Eテレミッツ・カールくん」
こちらはクラッチと呼ばれるテレビ放送における番組と番組のあいだに挟まれる5秒間のスポット映像。
ミッツ・カールくん公式ホームページがついに!頭がおかしい本数つくったのでみんな観てね! https://t.co/70FR0yKM7R
— 藤井亮 (@ryofujii2000) June 8, 2018
これも藤井亮さんお得意の『数の暴力』作戦。ご本人もツイッターで述べられている通り、頭がおかしい本数、64種類。
尺が5秒しかなく「みつかるEテレ」というコピーも決まっている。その限られた中で如何に視聴者の記憶に残すかということでダジャレに落ち着いたそうです。
クリエイターの思考のプロセスを知れるのは、なかなかないのでとても新鮮に感じました。
限られた中で課題を解決する。藤井亮さんはそういうタイプのクリエーターなんだなという事を知れました。
とても刺激的なトークセミナーでした。
常設展示 藤井亮 大解剖展
藤井亮さんイラストや原画など、話題のクリエイターの作品や作品資料が間近で見て学ぶことができる展示もありました。
制作の資料は見る機会が少ないと思うので勉強になりましたね。
藤井亮のモノづくり
Eテレの「ミッツ・のカールくん」での作者プロフィールにも書かれていた『よくわからない映像を作る人』というのは藤井亮さんをよく表した言葉だと思いました。
藤井亮さんの作品は常に笑いが起こっており、一見ふざけたような企画ばかりでしたが、そのふざけたような作風とは違い、考えて考えて考え抜かれて作り上げられたものだということを知ることができましたね。
人と違う企画を考えるために、あえて人が入っていない美術館巡りをしたり、制作段階では、「現場でウケたカットは使わない」など作品とその制作の裏側では全然違った一面が見れました。
そこにクリエイターのストイックさ表現することと向き合う姿勢として、決して「陽キャ」のノリでは作らないという思いがとても興味深かったですね。
深く深く掘り下げるからこそ生まれる作品というものが、こういった『よくわからない映像』を生み出しているのだと感じました。
ワークショップ
2限目の講演と時間が重なっていた為、参加することができませんでしたが、イベントではワークショップも行われていました。
動画制作で必ず出てくる撮影と編集の2行程をCM制作の立場から個別コーチングを行なってくださっていたそうです。
機会があれば是非参加したいですね。
CM編集マンによるAfterEffect特訓 ~AEの精神と時の部屋~
CMエディターによるAfterEffectの個別コーチング。初心者からハイアマチュアまで力量に合わせて指導。
神田晃弘(nero grafico)さん
CMカメラマンによる動画撮影ティーチング ~デジ1からプロデュースまでお悩み相談~
CMキャメラマンによるデジタル一眼やRED、C200を使って動画撮影のコツを個別コーチング。
フジモトマサヤ(DADAN)さん
感想
自分が憧れる動画クリエイターが関西にいるとは思っても見なかったので、とても感動的なイベントでした。
これからますます、動画クリエイターが増えると言われている中、『動画つくーる』、『システックトライアルショールーム』でも、そんな新しいクリエーターを応援していきたいと思っております。
このようなイベントが関西でもどんどん増えてくると嬉しいですね。